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アドバタイジングを信じてる

ひさびさにいいCMを観た。三井住友銀行のCMだ。

こういうのが広告の本筋だと場末のグラフィックデザイナー崩れの私はつぶやきたい。



たしかに不景気である。テレビやラジオ広告なんて元が取れるかどうかわからないギャンブルメディアだ。よっぽどインターネット検索サイトに出てくるPPC(検索連動型)広告の方が、よっぽどエンドユーザーに訴求するための筋道は通っている。

だけど検索エンジンの横に出てくるテキスト広告が人の心を打つか? ある意味、システムが動的に検索アルゴリズムに連動して吐き出した文字が打つわけがないのである。

今、この三井住友銀行のCMはネットで話題になっているという。このCMは今の若いクリエイターが作る人気タレントばかり使った軽薄短小なフットワークの軽さを感じない、重厚長大の年配クリエイティブ・ディレクターが作ったものと感じる。そしていい意味でのバブル時代の広告全盛期を通ったクリエイターだからこそ作り上げた「ワビサビ」を感じてならない。

そういう意味での宝島社の企業広告も毎年、楽しみだ。ネットでもみれるので、是非、ご紹介したい。

宝島社 企業広告

http://tkj.jp/company/ad/2010/

最近、特に今、亀倉雄策の本を読んでいるのでそう思うのかもしれないが、ネットに押され、既存広告に陰りが見え力強さがなくったときに、このCMはホント起死回生のカウンターを決めた感じで非常に嬉しいかった。

私はアドバタイジングを信じている。メシを喰うために今はWebに媚売っているが、本心は「グラフィックデザイナー」だ。Webは個人が自由に発信できる文化を作った。そのおかげでこんな駄文を読みたい人は読むことができる。これは素晴らしいことだ。その反面、情報発信という行為が陳腐化され、広告が金をかけてやる行為ではなくなってしまった。だが本当の広告は時代を発信し意見を発信するからこそ、人の心を打つ。

出来ることならもう一度、かけてみたい。アドバタイジングやグラフィックデザインに…。