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まさに「明日のリアル」である

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テレビにハマらない私ですが、テレビ東京水曜午後7時「ケータイ捜査官7」はかなり面白くハマっています。簡単にいうとフォンブレイバーと呼ばれる携帯型ロボットと、バディーと呼ばれるエージェントが力を合わせネットワーク犯罪に立ち向かう近未来型SFなのですが、なにせ細かなネットワーク用語などの描写設定が素晴らしい。時間から考えても子供向け、しかし大人を虜にするだけの要素はあるんです。

そして素晴らしいのはこのフォンブレイバーなどのVFX(視覚効果)で、あたかもサッと当たり前にみてしまうほどの映像。そう合成映像と全く感じさせないほど完成度。実際、週一30分の番組でこれを制作するのは大変だと思えて、どんなプロダクションが作っているかと調べてみると、Production I.Gというプロダクション。

ピンと来た方も多いと思いますが、このシリーズ監督三池崇史氏や攻殻機動隊スカイ・クロラ押井守氏を擁する日本が誇る映像プロダクションです。午後7時の子供向けテレ東がかなりの本気具合でびびりました。制作発表ではシリーズ監督の三池氏の言葉で、

「子供向け番組だが、子供のご機嫌うかがいはしない。自分たちが自由に楽しむことが、次世代の楽しみになっていく。テレ東をなめるな、の気持ちで作っていきたい」と自信の笑み。助監督時代、多くの連続ドラマに携わっただけに「今は、売れそうな企画を売れそうな人で作っている。それでは枯れてしまう」と、テレビ界への苦言も呈した。
というコメントが出るのに違いない内容だ。

そしてこのドラマには失礼にはなるが超有名俳優やタレントは出てこない、だからこそ核のシナリオが際だつし、三池監督は今の子供が単なる「子供だまし」が通用しないことがわかっている。ネット社会になり、小学生ですら携帯を持ちインターネットに接続する時代、こういったリアルなフィクションか、ポニョやハリーポッターのような完全なファンタジーであればいいのだろう。

そして必ず大人が楽しめる表現は、子供にも楽しめることを体現していると思う。まさにそれが三池監督が次世代に捧げる「明日のリアル」なのだろうし、これからの時代の表現の鍵はここかも知れないと、私は思うのである。