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映画「ソラニン」を観る

正月のテレビ番組もなんだか面白くもないので、AppleTVで何か映画でもオンラインで借りてみようと思い、なんとなくジャケットが良かった「ソラニン」を借りて観た…なんてふんわりとした感じで選びましたが、音楽をしていた人間なら間違いなくシンクロするストーリーもありまして予想以上に楽しめました。

プロットも良かったし(エンドロールを観ると原作は漫画?)20代の心の葛藤もすごく丁寧に描かれていましたね。要は文章でいうところの『青春パンク』なんですよね。青臭く生々しいストーリーは私らぐらいの世代でバンド経験がある人間ならこんなことあるんですよね。そういった意味ではバンドマンの彼女経験者も頷けるストーリーだと思います

また演出での酒・タバコ、バイク、恋愛(SEX)など若い世代特有のだらしない表現方法も監督は上手ですよね。いわゆる『カッコツケ』なんですけど、リアルに私なんかだらしなく映画のように付き合ってました。実際、私もバンド活動を多感な時期の15歳で始め19歳で辞めたのですが、やっぱりこの先どうするかは主人公達のように悩みました。

特に私は当時、イベントの仕事をしてたのですが仕事が楽しくやりがいがあり、正直、マンネリしていたバンドが億劫になってしまい、私が作ったバンドなのに結局は私が最初に脱退することで当時のドラマーとは小競り合いもあったのも思い出しました。

まぁ考えてみれば私にメンバーが振り回されたことになりますが、バンドを億劫になった私と一緒にやるより、他のメンバーを入れたほうがバンドが生き返るって思ったのも事実ですしそう願ったのですが、ヒョンな事から数年後メンバーの一人に会いその後を聞いたら、その後他のメンバーを入れることなく数ヶ月後、解散したそうです。

主人公達も迷います、音楽を続けるか否か。ただマンネリと続けてもこの世界、目をつけてくれるかどうかわかりませんし、そのまま沈むのも事実です。ひたすら自分なりに苦労し、そして音楽を続けることでチャンスの光が見えて、運が良ければその光が自分に当たる訳です。元ミュージシャンのプロデューサーとギター・種田とのレコード会社でのトイレでの会話は短い場面ですが、音楽に関わる縮図を表した名シーンではないかと思います。

まぁもちろんストーリー通り、芽衣子を中心にストーリーを観ていってもよくある青春活劇なんですけどね。できれば少し楽器のマニアックな話とか織り込むと面白いと思ったのですが、まぁ女性が引いちゃうのでこんなもんでいいのかな。主人公の宮崎あおい演じる芽衣子の廻りも囲む俳優、女優も良い感じでした。個人的にはサンボマスターのベース・近藤氏が出てたのがビックリでしたが、良い演技でしたね。

あまり日本の映画って観なかったのですが面白いですね。オンラインでも音質、画質ともよく、借りてくる手間もいらないので今後もApple TVで色々「ジャケ選び」で邦画を観たいと思いました。