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「フェイスブック〜若き天才の野望」読了

今更ですが「フェイスブック〜若き天才の野望」読了しました。

映画「ソーシャルネットワーク」は若き創業者マーク・ザッカーバーグに毛嫌いされたらしいが、この書はそんな氏の完全協力の下、技術系ベテランジャーナリストが執筆した本人公認の一冊である。Wikipediaでは「2011年9月現在、世界中に8億人のユーザーを持つ世界最大のSNSになった」とあるが、未だこういったソーシャルネットワーキングサイト(SNS)は日本ではmixiが強いんではなかろうか。

私個人は「SNSが苦手」なのでFacebook自体をなんともいえませんが、ストーリーは惹きこまれました。さすが「事実は小説より奇なり」です。ひょんなことよりFacebookを開発した黎明期、サイトが急速に拡大するにするあたり、システムサイトの場合はユーザーデータを貯めこむデータベースサーバーの増強とサイトを管理する人件費が必要になります。

若く経験は無いが高い思想を持している若者を支援する者、海千山千のサイトに値段をつけ投資して金の力で支援するVC(ベンチャーキャピタル)などの攻防は読んでいてハラハラするとともに、アメリカという国は経験のあるベテランや資金力のある投資家が、夢や思想を掲げた若者を損得は絡むが支援するという強力なシステムがあることに感服しました。

仮に日本じゃ壮大な夢や思想を抱えようが、未だYahooがデフォルト検索だと信じ切っている金融屋の爺さんを説得して、事業資金を借りることはできない。正にこのストーリーはアメリカだから成せるアメリカンドリーム、いや「シリコンバレー・ドリーム」なのでしょう。

この書を読んでいて思ったのは、初期のショーン・パーカー氏、長期的展望の会社を作る基礎と考えたドン・グレアム氏、そして拡大期の現COOのシェリル・サンドバーグ氏など適宜、Facebookという母体が必要な時に必要な人材やメンターが流動化している事が、新興企業を増強するにあたり必要なことなんだろうと思う。そういう意味では日本でFacebookのような短期的に新興企業が隆盛していくのは難しいのかなぁとも考えました。

兎にも角にも、たまたまこの前に読んだスティーブ・ジョブズの伝記も含め、新旧IT揃い踏みになったが、アメリカには夢があるなぁと思った。そして夢に敗れた者、今回であれショーン・パーカー氏になるが、そういった人が失敗の経験を生かし新しい夢を掲げた人間をバックアップするというお涙頂戴的仁義(仮にストックオプション目当てでも)は恐れいるし、結果主義のアメリカらしいと思う。

最後に冒頭に「SNSは苦手」と書きましたが、ザッカーバーグ氏が人生をかけたFacebook。いまより5%多く触ってみようと努力してみます。う〜ん、書いたはいいが、どうかなぁ?

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)