「アイデアのつくり方」読了
この本「アイデアのつくり方」は読了なんて言い張るほどのボリュームのある本ではありません。本編のみでしたら、ものの一時間もかかりません。タイトルや著者(元・広告代理店社長)の経歴からすると、一般の方にには必要ない本だと思われますが、逆にそういう方に読んで頂きたい本です。
端的にいうとこの本が言いたいのは、「アイデアは作れる」ということです。商業的なアイデアは毎回ゼロから叩き上げるものではなく、既存の要素と要素を組み合わせることで新たな要素を生み出すということで、天才や奇才でなくて創りだす事は可能ということが書かれています。
まず「アイデア」を生み出す段取りとしてヤング氏が唱えているのは、
- データ集め
- データの咀嚼
- データの組み合わせ
- ユーレカ(発見した!)の瞬間
- アイデアのチェック
です。
3,4はいわゆる個人のセンスというところに依存しますが(センスも鍛えることは可能)、基本的にはどんな方もこの流れ通りにやればアイデアは紡ぎだせます。
私なんぞのクリエイティブ屋は、既に1&2は既に習慣になっておりまして、硬軟関わらず色々な事柄に興味を持ち、面白そうなものにはなんでも齧りつきます。死ぬまでそうしろと、デザイン学校で習ったからです。
仮に料理に例えますと、どんなモノでも齧ると自分の感じる味(要素)があるから、頭の中にある「味ノート」に記載しておきます。アイデアが必要な時、テーマについて改めて調査したり、その「味ノート」を見返しながら、テーマに合わせた味(要素)を重ねあわせ、私が好みの味を何種類かピックアップして、アイデアのレシピを考え、何種類かの味(要素)をピックアップ、吟味して、具現化します。最後に関係者に「味見」をしてもらい、アイデアが「商品」として決まります。
仮に皆さんが会議などで新規企画などを話し合う時も、この流れで行うと良いと思います。1&2は正直、習慣付けは難しいので、もうひたすらテーマに関することをググりましょう。キモはとにかく面白そうな「要素」を数多く探しだしてください。10より100、100より1000です。
たくさん「要素」をピックアップしたら、出来れば複数名でワイワイガヤガヤ、パズルの様に組み合わせする実験をしてください。決して「コレはありえない」は禁句です。組み合わせの「ユーレカ(発見)」はワイワイガヤガヤしてれば、最終的には偶然、出てきます。その偶然出てきたものを参加メンバーで多数決を取り、残ったものが「アイデア」です、ほら一丁上がり。あとはこのアイデアを色々な方に披露してください。いろいろ感想を聞き細かい修正を加えれば、それなりに使える「アイデア」が完成です。
私なんぞ専門家にとってもこういった事を自然におこなっていましたが、基本的なおさらいになりためになった良書です。これを実地で覚えましたが、20代前半に手にしてたらなぁ。安価ですし良かったら手にとって読んでみて下さい。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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